皆様こんにちは。
横浜市ハピネス老人ホーム・介護施設紹介センター 相談員の原口です。
本日はお風呂場で気を付けたい、ご高齢者の事故とその対策についてお話します。
ご高齢者の事故が最も多いのがお風呂場と言われており
65歳以上の高齢者の死亡事故は毎年11月から4月にかけて多く発生しています。
厚生労働省人口動態統計(令和2年)によりますと
ご高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は4,724人で
交通事故死亡者数2,199人のおおよそ2倍です。
入浴時の事故が多くなる原因の一つは
急な温度差によっておこる血圧の急な変化、ヒートショックです。
暖房のきいた暖かい部屋から、冷え込んでいる脱衣所へ移動して衣服を脱ぎ
浴室も寒いと急激に血圧が変化することにより一時的に脳内へ
血液が回らない貧血状態から、一過性の意識障害を起こすことがあります。
また、のぼせてしまって血圧が低下し、浴室で溺れてしまうケースも多くみられており
入浴時の事故の原因の一つとして考えられています。
ご高齢者は、血圧を正常に保つ機能も衰えてきている場合がありますのでご注意ください。
① 入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
急激な血圧の変動を防ぐため、お風呂を沸かすときは暖房器具などを利用し
脱衣所や浴室内を暖めておきましょう。
お風呂に入る前に、「湯を浴槽に入れるときにシャワーから給湯する」
「浴槽のお湯が沸いたら、十分にかき混ぜて蒸気を立て、蓋を外しておく」など
できるだけ浴室内を暖め寒暖差が少なくなるように工夫をしておきましょう。
➁温度は41度以下、つかる時間は10分までを目安にする
熱いお湯や長湯が好きな人は更に注意する必要があります。
例えば、42度のお湯で10分入浴すると、体温が38度近くに達し
高体温などによる意識障害を起こす危険性が高まります。
お湯の温度を41度以下にし、お湯につかる時間は10分くらいまでを
目安にし長時間の入浴は避けた方が安心です。
また、かけ湯をしてからお湯に入ることも大切です。
心臓から遠い足先のほうから肩まで徐々にお湯をかけてお湯の温度に体を慣らすと
心臓に負担がかからず血圧の急激な変動を防ぐことができます。
③浴槽から急に立ち上がらない
入浴中には体に水圧がかかっています。
その状態から急に立ち上がることで、体にかかっていた水圧がなくなります。
そして圧迫していた血管が一気に拡張し、脳へ行く血液が減ることで
脳が貧血のような状態になり、意識を失ってしまう危険もあります。
浴槽から立ち上がる時、めまいや立ちくらみを起こしたことがある方などは要注意です。
浴槽から出るときは、手すりや浴槽のへりなどを使って
ゆっくり立ち上がるように意識しましょう。
以上が入浴時の事故を減らす対策となります。
老人ホームでは、お風呂の見守りを必須としているホームが多いです。
ご自宅でも、ヘルパーさんやご家族様の準備、注意、対策をして
安心してお風呂を楽しめる環境を整えましょう。
横浜市ハピネス老人ホーム・介護施設紹介センター 原口