皆様こんにちは。
横浜市ハピネス老人ホーム・介護施設紹介センター 相談員の大竹です。
本日は『フレイル』というご高齢者の状態についてご説明させていただきます。
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の間に位置する状態の事を表します。
Frailty(虚弱)の語訳で、2014年に日本老年医学会が提唱した概念です。
加齢による心身の老いや衰え、家に閉じこもりがちになるなどの
社会との繋がりが減少している状態をいいます。
そのままの状態で放置すると、介護が必要な状態になってしまう可能性が高くなります。
その為には早期発見、前兆がある時に適切な予防や改善に努めていくことが大切です。
フレイルは主に3つの要素で構成されています。
①身体的な衰え
代表例は筋力の低下、口腔機能の低下です。
筋力が低下することにより、歩行がしにくくなったり、転倒のリスクも高くなってきます。
また、免疫力の低下もあり、血糖値のコントロールが難しくなるなどの問題も出てきます。
口腔機能の低下では、食べ物が噛みづらい、食べこぼしなどが増えたりすることがあります。
それらが悪化することで、嚥下障害、摂食障害に進行することもあります。
②心理、精神的な衰え
心理、精神的な衰えの代表例では認知機能の低下が挙げられます。
物忘れや相手の名前が出てこない、今まで出来ていたことがなかなか出来ないなど
それらが進行することで認知症と診断されます。
心理的な部分では、うつ病を発症することがあるので注意が必要です。
③社会性の衰え
社会性の衰えとは、他者や社会との繋がりが減っていくことです。
ご高齢者の方は様々な理由で一人で過ごす時間が多い方が沢山いらっしゃいます。
身体的には健康であっても、この様な状態が長く続くことは安心とはいえません。
他者や社会との繋がりは、健康に生きていく意欲にも繋がるので
ご高齢者の社会性の維持はとても重要な項目となっています。
主に3つの要素で構成されているフレイルですが
早期発見、生活習慣を改善することで回復をすることも十分可能です。
この様な状態になる前の予防や初期の段階で気づき
早めに改善していくことが大切となっています。
では、日ごろからどの様な事に気をつけていくかが下記の項目になります。
・運動
日々の外出やウォーキング、ちょっとした体操などの有酸素運動。
しかし、いきなり走ったりなどは怪我の危険があるので
まずは近場での散歩などから始め、慣れてきましたら徐々に運動量を増やしていきましょう。
・栄養
3食バランスの良い食事をしっかり取りましょう。
タンパク質や炭水化物、ビタミンやミネラルを意識して摂食することが大切です。
タンパク質は筋肉を作る為に重要な栄養素の一つです。
エネルギーの源になる炭水化物、身体の潤滑油になるビタミンとミネラルもとても大切です。
また、これらの栄養をしっかり摂取する為にも、お口の健康を保つことも大切です。
・社会活動への参加
積極的な社会活動の参加は心の健康にも繋がります。
地域活動やボランティア活動への参加など
人との繋がりを維持することが心の健康に繋がります。
この様に日々の予防が大切ですが
ご高齢者の方が自身で気づき、今の生活を改善していけるとは限りません。
予防にはご家族や近しい人達のサポートが欠かせません。
フレイルの進行を防ぎ、健康な状態でご本人が生活が出来る様に
皆さんで助け合っていきましょう。
横浜市ハピネス老人ホーム・介護施設紹介センター 大竹